2020 / 3 / 13 / Fri. — 22 / Sun.
13:00 — 20:00(22 / Sun. 11:00-15:00) 入場無料 予約制
お申し込み: https://eitg2020.blogspot.com/p/blog-page_26.html
BUoY 2nd floor http://buoy.or.jp/
〒120-0036 東京都足立区千住仲町49-11 MAP
49-11 Senju-nakacho,Adachi,Tokyo
東京メトロ千代田線・日比谷線/JR常磐線/東武スカイツリーライン「北千住」駅出口1より徒歩6分、西口より徒歩8分



 EXHIBITION        TOUR        EVENT 

TOUR

本展では、3つのツアーを開催します。



Imaginary Tours
一時的に日本で暮らす移住者に、これまで過ごしてきた土地や場所をめぐって、頭の中で(目を閉じて)旅をしてもらいました。このツアーは、あなた自身が目を閉じ、過去の記憶や風景をたどるように、移住者の記憶や風景に対して、想像上でアクセスするためのオーラル・ヒストリーの試みでもあります。
language: Japanese
※本ツアーは、移住者の声による音声ガイドツアーとなります。

企画:粟田大輔 / Daisuke Awata
美術批評、芸術学(美術解剖学)。論考に、「書き換えられるシステム」(『ART and ARCHITECTURE REVIEW』、2010年)、「ポスト消費社会と映像の再生産」(『Yebizoフォーラム』、2012年)、「近代のアポリアと形見なるもの」(『物質と彫刻』[図録]、2013年)、「金縛りと夢」(『Pa+ フォビアと芸術生産』、2015年)、「榎倉康二と書物」(『Reflection:返礼―榎倉康二へ[論考]』、2015年)、「SPACE TOTSUKA ’70における「地・型」」(『引込線 2015』、2015年)、「顔徴」(『引込線 2017』、2017年)など。






The chair remains vacant, but the place is set
( 椅子は空いたまま、でもそこに席はある )

 ハンナ・アーレントは著書『過去と未来の間』の冒頭で、第二次世界大戦時に対独レジスタンスに加わったフランスの詩人、ルネ・シャールの言葉を引用しつつ、公共的空間における自由と抵抗に着目しています。
A tous les repas pris en commun, nous invitons la liberté à s'asseoir. La place demeure vide mais le couvert reste. (René Char)
At every meal that we eat together, freedom is invited to sit down. The chair remains vacant, but the place is set. 
私たちの食事の席に、自由はいつでも招かれている。椅子は空いたまま、でもそこに席はある
Cited in Hannah Arendt, Between Past and Future (New York: Penguin, 1968), p. 4
空いたままの椅子を、まだ見ぬ他者を迎えるために保っておく、というのは、資本主義経済に絡め取られた排他的社会の中では困難な営為です。でも、その困難な営為は、意外と困難な営為としては認知されないままに都市の中で無数に渦巻いているものでもあり得るかもしれません。
 当企画は、竹ノ塚〜梅島〜北千住の、フィリピンパブ、カトリック教会、廃墟、アーカイブ・バーを周遊するツアーです。やや長丁場のツアーにはなりますが、昨今流行の「おもてなし」とは異なる、他者と出会うことの困難をその先に見据えた楽しいツアーをご案内したいと思っています。

日時:2020/3/15/Sun. & 3/22/Sun. 各日同一内容
集合:11:00/竹ノ塚某所 (詳細を申込者にメールで告知いたします。)
解散:20:00/北千住某所(解散時刻は変動する場合があります。)
定員: 5名/1日/先着順
料金: 無料(ツアー内交通費:400円程度は自己負担となります)
申し込み:
<3/15/Sun.> https://forms.gle/VKUA4nnVpurRoYqA7
<3/22/Sun. > https://forms.gle/qaAL9vLjEgiyTdEV6
※ 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本Tourを開催中止とさせていただきます。理解のほどよろしくお願い致します。

企画・ガイド:岸本佳子 / Kako Kishimoto
北千住BUoY代表/芸術監督。演出家・ドラマトゥルク・翻訳家。2009年より多言語劇団「空 (utsubo)」主宰。米国コロンビア大学芸術大学院ドラマツルギー専攻修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。これまでに、東京大学、東京女子大学、専修大学ほか兼任講師。2014年2月『林さん』作・演出にて芸創connect vol.7最優秀賞受賞。






寄留者のためのメンタル・ローテーション
( The mental rotation for aliens )
 このツアーは、わたしたち自身が寄留者であり旅人に過ぎないということを、いま一度、振り返ってみるためのものです。ここに挙げた場所は、展示会場からほど近い、かつて花街だった場所や、かつてドヤ街と呼ばれ場所の、公園や酒場、食堂などです。わたしたちはかつて、そこに生きる人々を、自分とは関係のない人々だというように誤解してきました。彼らはわたしたちであり、わたしたちは彼らである。このあたりまえの意識を取り戻すことができなければ、難民や移民について考えることもまたできないはずです……。
 ツアーで利用するのはメンタル・ローテーションです。メンタル・ローテーションというのは、ロジャー・シェパードとジャックリーン・メッツラーという、認知科学者たちの実験によって知られるようになった心の作用です。提示された三次元のポリゴンが、同じものであるかそうでないかを判断するために、心のなかで回転、ローテーションさせてみる。ポリゴンを回転させることができるのであれば、状況についても同様にすることができるはずです。記された言葉は、命令のように強制するものではありません。想像してみたり、妄想してみたり、もちろん、実行してみたり……。自分に合ったやり方で試みてください。

※ 展覧会場の配布物をご参照ください。

企画:杉田敦 / Atsushi Sugita
美術批評、art & river bankディレクタ、女子美術大学教授。名古屋大学理学部物理学科卒。著書に 『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房、1998年)、『ナノ・ソート』(彩流社、2008年)、『静穏の書』 (彩流社、2015年)など。プロジェクト「批評家の海岸」(越後妻有大地の芸術祭、2009年)、個展「サンクチュアリ、あるいはアジールのあとにくるもの」(空蓮房、2015年)、オルタナティヴ・スクール 「nano school」(blanClass)、批評誌『+jouranal』の編集・発行など。2017年にはリスボン大学の博士過程で教鞭をとりながら各地の国際展を巡りARTiTで連載。2020年、刊行予定。